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午後の時間は長く感じる。事務所は入れ代わり立ち替わり、誰かしらやってきては出て行ったりしていた。
売場の人員の出入りがあると私が準備したり片付けたりする。新人が入ると細かい実務については現場のマネージャーが教える。
それ以外の制服の準備やらロッカーの使い方に始まって勤怠の大まかな説明など、導入部分を私達から案内することになっていた。今日はどの売場でも面接もなく新人が入る予定もないらしかった。
私が退勤するまでに前日分の勤怠のエラーは修正をして本部に送ることにしていた。
午後になると各マネージャーもエラーレポートを見て修正依頼を出したり残業申請を出したりするので、入力作業をしながら電話をとっていた。
もうすぐ退勤という時間になって家電マネージャーの鈴木が事務所に入ってきた。
「いつものとこに行っててよ。俺もあとから行くからさ。」
鈴木が言った。
「私も一度帰ってからまた出てくるから18時過ぎくらいになるけど先にやってますね。」
私は鈴木に言った。
「おぅ。」
鈴木はそれだけ言ってまた忙しそうに売場の方に戻っていった。
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