1.ゼリーのような私の不満

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いつものように独りよがりなセックスを終えると悟は二つ並べたベッドの私と反対方向にいってすぐに寝息を立てはじめた。 私はちっとも眠くなかった。ことが終わったばかりなのに私は冷え切っていた。身体も気持ちも。 悟だってわかっているはず。私が本当にいってはいないこと。それでもまだ行為があるだけマシと思わなければいけないのか。 でも眠っていた子を起こされるだけならしないほうがやっぽどまし。悟は気づいていても何もしようとはしない。 私はごみ箱の脇に落ちていた下着を拾ってつけた。 目線の先には使ったばかりのコンドームがティッシュに包まれて捨てられていた。何だかやりきれない気持ちが込み上げてきた。 「ねえ…」 と私が話しかけたとしても 「何?疲れてんだから寝かせてくれよ。」 そんな不機嫌な返事が返ってくるだけなのはわかっていた。 だから私はもう何も言わない。泣きたくてももう慣れっこになってしまった。 もう悟には何も望まない。
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