5.ガス抜き

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行きつけの居酒屋チェーン店に入っていくと家電売場のバイトの男の子、男の子という歳でもないが、大倉と山本が先に来ていた。 「おー、おつかれ。」 大倉は手招きしながらそういった。私は大倉の隣に座った。 「中生でいい?」 大倉と山本もすでに同じ物を飲みはじめていた。 「うん。ありがとう。お願い。」 私はにっこりしながら答えた。 大倉は年齢がよくわからないが私より若干若いか同じ歳位だと思う。いわゆるフリーターだ。 店では忙しそうにしている時が多いが飾り気のないそぶりが逆に男っぽくてどこか頼もしい印象だった。 対象的に山本は線が細い感じで家電よりは衣料品を扱っているような雰囲気。まあ確かにパソコンとかには詳しそうに見えた。 私は庶務と電話交換をしているのでいろいろな売場の人の顔と名前が一致するのはよかった。
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