1.ゼリーのような私の不満

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私はうんざりしながら何度目か悟を起こす。 「ねえ、もういい加減起きないと。7時45分だよ。」 「うーん。起きてるよ」 ものすごく不機嫌そうな顔で悟はやっとベッドから這い出すとトイレに行った。 着替えて顔を洗って髭を剃って整髪して歯磨きをする間、会話はほとんどない。そのすべてを20分ほどで済ます。 ギリギリまで寝ていてバタバタと出ていく。朝はいつもにまして不機嫌の固まりなので関わらないにこしたことはない。8時過ぎに悟が車で出ていくと心底ホッとした。 ざっと部屋を見回して簡単に掃除機をかけた。 (ちょっと遅くなっちゃったな……) 私は急いで鍵を閉めて家を出た。
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