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さっきの“ツン”とした様子と違い、どこかスッキリとした雰囲気の舞斗は顔中がダラケきっていた。
しかし知恵理は納得できない! それならなぜあんな態度をとったのか? そんな舞斗に腹をたてる。
「安い愛だ、とか1円とか……あんまりじゃない! 私、それがどんなに悲しかったか解るの? 舞斗!?」
少し困り顔をして彼は知恵理に弁解をする。
「知恵理、俺はお金で得ようとする愛が安いと言いかったんだ」
「それじゃあ1の意味は? わかんないょ」
舞斗は熱をおびて説明する。それはこの国で1番小さい通貨は一円、そしてそれは崩しようのないモノだと言う事を。
「分かった? 知恵理、絶対に壊れないお前への……俺からの想いを」
今度はうれしくて泣き出した知恵理と誤解と体裁を繕えて安心した舞斗、彼が先ほどのような態度を取った理由は、腹痛でトイレに行きたくなり、彼女に知られたくないが為の事だった。
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