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似合わない容姿でロッカーなみの激しいヘッドバンキングを表現する彼女は、かた焼きせんべえよりも硬いクチをやっとで開いた。
「……お願い、舞斗、帰らないで」
長い間のにらめっこでやっと出て来た一言と、舞斗は自分の限界を越えた精神的な疲労に、これ以上耐えられそうにないので相手にその旨を伝える。
「ムリ!」
「ムリでも帰らないで!」
知恵理は蚊の泣きそうな小さい声で舞とにお願いする。
「ホント~にムリ! 僕はこの状況にもう耐えられません」
舞斗の言う耐えられない事は、辺りを不特定多数の人に囲まれて、晒しモノになっている今の現状を指していた。
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