第1話

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そして、春日山城に行く途中、小太郎が溜め息を尽いていたのを気づいた遙姫が怖ず怖ずと尋ねた。 遙『あの…小太郎?』 小太郎『台無しだ…』 そう言うと小太郎はまた、溜め息を尽いた。 慶次『おいおい、小太郎。そんな溜め息を尽くなよ。まあ、最初に会ったのが俺で良かったな。』 小太郎『誰の所為だと思ってんだ。最初に会ったのがお前だから嫌なんだ!』 遙『まあまあ…小太郎、慶次様は全て知っているの?』 遙姫が尋ねると、小太郎は、『ああ。』と短く答えた。 慶次『で、小太郎。お前が越後を訪れたって事は、殊諳に何かあったか?』 小太郎『ああ。先日、殊諳が襲撃された。陽一様が遙を連れて、越後に迎えと言っていた。』 慶次『ふーん。成る程ね。』 小太郎『それで慶次。暫く遙を“女中”として、越後に置いてくれないか?』 慶次『え?身分を隠すのか。別に隠さなくたって良くないか?』 小太郎『何でもだ。いいか?誤って口を滑らせるなよ?』 慶次『おーこわっ。分かった、分かった。』
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