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End of Prologue
ボクが立っていたのは、見渡す限り拓けた、どこまでも青い、青い海の上だった。
手を伸ばしても届かないほど永遠に。空は命を持って流れては、ボクを空から見おろしていた。
果てしなく広がる世界の中で、ボクはただ一人、そこにいた。
足元に広がる柔らかな緑。だが押し寄せる波は時を刻むように無機的に、ここにあるボクの足元を静かに削り取っては、失われた大地はやがて海へと消えていく。
走り行く雲は、ただボクを見ているだけだった。そしてボクもまた、何もできなかった。
翼を自ら切り落とした、産まれ損ないの哀れな少女。そう言ってみるのも悪くない。
柔らかくて、優しくて。
それでいてどうしようも無いほどに不可避に、大地は抉られてゆく。削り取られて行く時間の中で、ボクは独り夢を見ていた。
それは夢であり、そして願い。
起こしに来る人なんて誰もいない。ただ忘却の海へと飲み込まれてゆく哀れな一人の少女を、見下ろすだけ。
それでも
もしこの深い海に飲み込まれ行く時の中で、誰かがボクを起こしに来てくれるのなら
ボクは笑っておはようを、言ってみたかったな。
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