第一話/9月19日①

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僕が進学にあたってクラスが変わることの無いこの進学型の自然科学コースに進路を定めたのは、もちろん公立であり、ちゃんと勉強ができるからというのもあるが、一番はクラスが変わらない。そこにあったように思う。 中学の時、僕はクラスで孤立していた。いや、孤立させられたのであり、あるいは孤立させたとも言えるのだが、 とにかく 僕の中学校生活は、今と対して変わらなかった。いや、むしろ今よりも激しいまでに過激であった。 それはやはり僕が悪くて、僕のせいなのだけど、簡単かつ簡潔に言ってしまえば、いじめられていた。そうなるのだろう。 高校に入るにあたって、これでイジメが無くなるだろう、と言う楽観的かつ希望的な羨望は、不思議と抱かなかった。 たぶんまたこんな感じだろう。なんとなく思っていたそれだが、妙な確信があった。なぜそんなことを思ったのか、それは今もまだ分からない。 分からない けど、 それでも、そう思った僕は、このクラスを選んだ。変わらないと言うことは、それ以上広がらないと言うことである。 めんどくさい関係を持つのは、僕を除いた39人だけで十分である。僕なんかをそれ以上誰も知らないように、そして誰も、気にかけさせないために。み`ん`な`が`、僕`を`嫌`っ`て`く`れ`る`た`め`に`。 進路にあたって、親は何も言わなかった。 当たり前だ。 言うべき口は、もうどこにもないのだから。
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