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和気あいあいとしたクラスの雰囲気はいつだって僕をおいてけぼりにしてきた。取り残された孤独を祝福するようにして、いつだって世界はその言葉を僕に突き付ける。
――死んだ方がいい、と
いつからか
賛同する自分こそいれどもそれを否定する自分はどこにもいなくなっていた。
それがただなんとなく日々を過ごしてきた僕に対する、世界の答えであり、いつだってクラスメートが僕に求めてきたものであったのかもしれない。
高校に進学するにあたってある種の期待をもたなかったかと言えば嘘になる。
けど、高校になっても、そのく`そ`っ`た`れ`な`秩`序`は変わらなかった。全くと言っていいほどに。
それはこうして今も、変わらずここに在る。
個人の主観など二の次であり、クラスの調和こそが、求められてきたものだった。日本人の鏡みたいな奴らだった。もちろん悪い意味で。
授業が始まる。それまでにプレゼントされた寄せ書きを消し去るのが、毎朝日誌をつける代わりに僕に課せられた日課であった。
カバンを机の横にかけ、席を立った。雑巾を持って、水を含ませにゆく。
決まりきった慣習的な習慣。それこそが秩序でもあった。`決`め`ら`れ`た`和を乱さないこと。無駄ないざこざを回避する、そこそこ有効な優れた解答。
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