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そう言えばこの間は花が飾ってあったっけ――とりあえずトイレに向かいながら、そんなことを思った。
その時はその辺に生えていそうな野草を給食に出てきそうな牛乳パックに詰め込んだものが、朝来たら机の上に置かれていた。エコロジーな奴らだった。
それをトイレのゴミ箱に捨てた僕は、環境の敵そのものだったのかもしれないと、今さらのように思う。
冷たい水が手のひらを潤す。9月と言ってもまだ夏と言っても差し障りないこの季節では、流れ出る冷水も心地よいものだった。冬場はあんなにも刺々しい痛みをもたらすのが嘘のようだった。
それから教室に戻ると、僕の机がよしもとばりにずっこけていた。カバンの中身が周囲に散乱し、その上を平気な様子でクラスの男子たちが通って行く。
赤信号、みんなで渡れば怖くない――教室のど真ん中に標語みたいに掲げればいいんじゃないか。思わずそう思ったが、そうするまでもなく、既にみんなの心には強く根付いてるようだった。
ある意味で僕を中心にしてクラスが一つになっているとも言えた。そう思うとなんだか嬉しく思ったりは、残念ながらしなかった。
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