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「神谷さん、すみませんが、
そっちのドアから鍵を開けてもらっても良いですか?」
………ん? 返事がない、
『うん』とか言ってくれても良いはずなのに 。
まさか………冗談じゃない、
あんな事いっておいて今更…………結局神谷さんに裏切られたんだ………
また、泣きそうになった瞬間
寝室の窓ガラスから神谷さんが現れ、窓を開けながら、そして泣きながら入ってきてこう言った。
「小野くんに笑顔を持ってきたよ。」
「かみ……神谷さん………………うっ…うっ」
ほらほら泣かないのっと言ってそっと抱きしめてくれた。
そして小さな鏡をポケットから取り出して俺に向けてこういった。
「小野くんの泣き顔笑えるよ」
鏡には、なんともみすぼらしい俺の顔がうつっていた。
そんな顔にあきれて俺にも笑顔が戻ってきた。
end
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