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それは例えば小さな廃工場であったり、完成間近に工事がストップした官舎であったりと、割れた窓ガラスから木の枝や背丈の高い草が無遠慮に建物へと侵入しているようなゴーストタウンさながらの景色ばかりで、その人気の感じられない道路を数十キロと走っていると、ようやく天地拘置所が見えてきたときには、その大きさは東京拘置所とさして変わらないものであるのに、廃墟に慣れた目を驚かせる。
宮本は死刑囚の親族らに淡々と説明すると、次に告げるべき事柄を、何も書かれていないホワイトボードを見つめつつ思い出した。
「このサバイバルゲームから脱落すれば刑は直ぐに執行されますので、御家族の遺体引き取りの方をよろしくお願いします」
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