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「はは……、俺が1番だ」
心のこもらない笑いを吐き出したのは、金髪の男だった。
不可解なゲームの申し込みが一番早かったということは、後先を深く考えずに決定を急いだように思われ、そこに大金という重りに敗けた、自分の命とをはかる天秤が見えたのだ。
彼は「ラッキー!」と大声を張って缶詰と水を取り、道具の中からライターを取ったが、その言葉は心底から出たものでは無かった筈だ。
2番の男は幼い顔をした美青年で、彼は缶詰と水を取るとサバイバルナイフを取った。
3番の男は身長が180cm以上、体重が100kg以上はありそうな巨漢だった。
坊主頭に眼鏡をかけている彼は、一体どんな犯罪を犯したのかと疑わざるを得ない程、温厚そうな顔で、残った8種類の道具を前に「えっと……」と頭を悩ませている。
「ちょっと、まだなの?」
「早くしろよ、デブ」
彼は「す、すみません」と、吃りながら頭を下げると、悩んだ結果、缶切りを手にした。
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