第1話

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「それは食べられるの? 毒キノコじゃない?」 「派手な色をしてないし、毒キノコは縦に割けず、横に割けるんだぜ。これは縦に割けるから大丈夫だ」 「……じゃあ私は他の食料を探すから、後で交換しない?」 「いいぜ、そうしよう」 川渕 敦は、またキノコを採り始めた。 アサ子はその場から離れると、とりあえずキノコを受け取らずに済んだことに、ほっと胸を撫で下ろした。 地味なニュースである為、大きく報道される事はほぼ無いが、キノコ狩りで収穫したキノコを食し、中毒症状を訴えたというケースは割と多い。 しかも中には、ガイドがついていたにも関わらず毒キノコを食したという例もある。ガイドが見分けられず、ガイドも一緒に毒キノコを食したという記事だった。
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