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ひとまず安堵したが、アサ子は彼が神経を尖らせるのも無理はないと思った。
ここは島にしか見えないのだ。しかも、おそらく無人島。海岸線以外は森のように樹木が鬱蒼と繁っており、人が住めるような場所ではない。
「何だアレ。カメラか?」
金髪の男が独りごちた。
彼が見上げているのは森から迫りだした枝葉と枝葉の間に見えるスピーカーだった。
電信柱の姿は葉に隠れて見えないが、スピーカーより僅か下の辺りで、陽光を反射したレンズが光っている。
「なあ、山田さんとやら。そろそろ説明してくれてもいいんじゃないスか? 皆さん、お目覚めのようっスけど」
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