白ノ娘

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「生きていてごめんなさい」 いつのまにか口癖 弱音ばかり吐いていた つまらぬだけの人生 村の人たちは皆 きれいな緑の髪 仲間外れの私 人と違う白い髪 森の奥で密かに そびえ立つ千年樹 私はここで一人 神に願いをかけた 孤独に生き続けること それはとても寂しい だれでもいい私の 友達になって欲しい 彼女と出会ったのは 千年樹のすぐそば 倒れていた彼女を 助けたのが始まり いつのまにか二人は とても仲良くなった だけど私と彼女 何もかもが違った 村の中の誰より きれいな緑の髪 その優しい声と笑顔 誰からも愛された どうしてこんな私にも 優しくしてくれるの? 自分より劣る女を 憐れんでるつもりなの? 卑屈な私を抱きしめて 彼女はささやいた 「あなたは誰より素敵な人よ」 涙がこぼれた たとえ世界の全ての人が 私を蔑み笑っても 必要としてくれる人がいる それだけで幸せだった
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