白ノ娘

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二人で村を飛び出して 街で暮らし始めた 不慣れな生活でも 一緒なら大丈夫 裕福な商人の 婦人の使用人 生きるために選んだ 私たちの仕事 ある日屋敷で見かけた 青い髪の優男 あいつと彼女の出会いが 全てを狂わせた 海の向こうの国の王 彼は彼女を深く愛し 隣の国の王女の 求婚を拒んだ 国は戦火に包まれた 王女が下した命令 「緑の髪の女は全て 殺してしまいなさい」 みんなみんないなくなってしまった 白い髪の私以外 彼女の代わりに私が死ねばよかったのに どうして どうして 「生きていてごめんなさい」 いつのまにか口癖 弱音ばかり吐いていた つまらぬだけの人生 港町の教会 新たに暮らし始めた 革命で王女が死んだと 風の噂で聞いた 彼女と出会ったのは 教会のすぐそば 倒れていた彼女を 助けたのが始まり いつのまにか二人は とても仲良くなった だけど私と彼女 何もかもが違った 誰もいない夜の懺悔室 偶然聞いてしまった彼女の告白 ああ なんということでしょう 彼女は正に 悪ノ娘 街はずれの小さな港 一人たたずむあの娘 背後から近づく私 懐からナイフ取り出して 王女の背中に向けて 振り上げた あなたに謝らなければいけないことがあるの 私結局あなたの仇はとれなかった あの娘は昔の私 とてもとても孤独な人 ひとりで生き続けること それはとても寂しい なにもできなかったあの娘 少し料理がうまくなった 今日のおやつのブリオッシュ とってもうまく焼けてる あの時あの海辺で 一瞬見えた幻覚 あの少年はいったい 誰だったのかしら?
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