戦火の少女

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  ……しかしだ、その喋り方は幻滅させるのに十分だ 「あき君、君は損な性格だな…」 「どうもありがとう大佐殿、それよりも本題に入ったら?」 藤本あき…それが私の名前だ。でもそんな名よりも皆はこう呼ぶ  《ナイトメア》と 不思議とそちらの方がじぶんの事を正確に表している気がする、いや きっとそれこそが唯一の事実なのかも知れない。このクソ戦争の混沌とデマばかり(嘘ばかりの世界)の中では…… (二日前 きっと新橋あたり) 食料を調達がてらちょっとした長距離偵察をしに来た筈だったが不覚にも仲間とはぐれて迷子になってしまったようだ。しかも場所も悪かった。敵の拠点一つの近くだったのだ。 「敵だらけだ。動きがとれない……」 建物の影から辺りを見渡すが仲間の姿は見えず変わりに敵の小隊がいくつかが交互に行ったり来たりしている。恐らくこの辺だけで少なくとも一個中隊はいるに違いない 幾らスナイパーで単独行動が多いとは言っても一個中隊に囲まれてはどうしようもなくなる  
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