戦火の少女

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   手にしていたレミントン、スナイパーライフルを構えた。都合の良いことに敵はまだ彼女の存在に気付いていない。 久々の近距離の敵をスコープ越しに伺いながら若干スコープから放し気味にした頭を 時々左右に振りながら周囲を見渡し期を待っていた いつもそうだ、 戦闘の直前はアドレナリンが出て妙にテンションが上がる。それは良くない事だ。 冷静さえこそが戦場では最も必要な事だからだ。そうでなければ判断を狂わせる事になるだけだ  スナイパーライフルのスコープにはアップの敵兵のつらが写し出されていた。距離は15~20m程度しかない。外す方が彼女にとっては至難の業だったのかも知れない。 素早く目の前の三人を一人ずつそのライフル弾で倒した。もちろん、急所である頭部、その脳幹を確実に撃ち抜いていた ライフルのボルトアクションつまりはコッキング(装填動作)を一撃事に素早く繰り返す。 しかし、敵は三人だけではない 次々と射撃音を聞いた敵兵がやってくる 「これはマズいな…」 とっさにホルスターに収めていたハンドガンに手をかけた。距離はもうわずかだ。だが、いくら銃撃を受けても反撃のためにそのトリガーを引く事はなかった。  私はピストルが苦手だった。射撃が下手だからという事は無い。ただ単にこの小さな殺人マシンが嫌いなのだ。 、
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