出生~猟犬時代

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まず簡単に説明すると、うさぎ狩りは 犬が獲物を探す→ 獲物を見つけたら追いかけながら吠えて合図を送る→ それを頼りに猟師が獲物を撃つ。 というスタイルで行われる。 腕のいい猟師であれば一発で獲物を仕留める。 しかし、残念な事にテツさんは猟師仲間から『マシンガン・テツ』との異名で呼ばれるほど銃を乱射するクセがあった。 ちなみにテツさんの座右の銘は 『下手な鉄砲、数打ちゃ当たる』である。 確かに打ちまくれば当たるかもしれないが、獲物の至近距離を走るこっちの立場からすればたまったモノではない。 なにしろいつ自分が撃たれるかもわからないのだ。 もしも私がかの有名なシャア=アズナブルであったなら 「見えるぞ。私にも弾が見える」 というセリフを口にしながら颯爽と弾を避けたのであろう。 だが残念ながら、私はニュータイプではない(それ以前に人でもない)。 さらにモビルスーツにも乗っていない生身の体であったので、当たらないように祈りながら獲物と共に逃げまどうのみであった。 しかし幸いなことに、私を含め兄弟の中にもテツさんに撃たれ殉職した者はいない。 あれだけ乱射して仲間を撃たなかったのだから、もしかしたらテツさんはある意味ウデがよかったのかもしれない。
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