お世話になります

3/16
前へ
/59ページ
次へ
2人に気付かれないように溜め息をつく。 これからどうなっちゃうんだろう… 颯太も見つからないし… 「猫だが…」 いつの間にか横にいた以蔵が話し掛けてきた。 「腹が減っていれば食べ物を探して町に来る可能性もある」 不意に私を見る。 「だから心配するな。きっと見つかる」 と優しく微笑んだ。 ドキン。 こんな顔もするんだ… 「…うん…ありがとう」 赤くなった顔を見られるのが恥ずかしくて真っ直ぐ前を向いた。 「着いたぞ~」 龍馬さんが一軒の宿を指差す。 宿の名前は 『寺田屋』 あっ、やっぱり。
/59ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加