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これからの不安を感じつつ、眠気に負けてそのまま意識が遠のいていった。
――その頃
「これからどうするつもりだ?」
武市が聞いてきた。
「どうするとは?」
「惚けるな、亜依さんの事だ」
まったくと呆れながら酒を飲んでいる。
どうすると言われてもな…
「な~んも考えちょらん」何故だか放っておけなくて何にも考えずに連れてきてしまったからのう…
「…は?」
武市はものすごい顔で見てきた。
…怒っちょるな…
「お前は馬鹿なのか?俺達が今、何をしようとしている?そんな時期に何も考えずに亜依さんを連れてきたと言うのか?」
武市は酒を口に含み、
「俺達は常に誰かに狙われている。そんな危険な時にお前は―」
「あ~~~~!!わかっちょる!!何回も同じ事言わんでいいぜよ!」
まったく、武市の説教は長くて困る。
「行く宛もなく、知り合いもいないあの子をほっておけなかったんじゃ…」
「だからと言って…」
「それにペットとやらの猫を探すと約束しとるきに、約束は守らんと」
わしが腕を組みながら答えると
「そのペットとやらの猫の事はよくわからないが…」
といきなり真剣な顔でこちらに向き直り、
「明日の事は忘れてはいないだろうな?」
「忘れとらん。しっかりと頭に入っとるきに」
わしは指で頭をトントンと叩いた。
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