第一章:殺意の始まり

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それが可笑しかったのか、レイニーメンバーたちが声をあげて笑った。 「探偵さんなんですか。へぇ……、こうして見てるとバイトの学生さんみたいなのに」 絵夢と嶺垣を物珍しそうに眺め、神川は言う。 確かに、普通はこんな場所でチョコレートを摘まみながら立っている探偵などはいないだろうし、周りから見ればただの冴えない青年としか映らないだろう。 スーツとまではいかなくとも、もう少しくらい探偵らしい格好をしてくるべきだったかと一瞬考えたが、そもそも今日は休日なのだから服装に気を遣う必要などないと気づく。 「でも、知らなかったわ。鈴水ちゃんに探偵の知り合いがいたなんて」
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