第四章:殺意の剥離

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「ちょっとごめん」 数種類の花を抱えた影宮が、羽舞の前を横切りカウンターへ戻ってきた。 手慣れた様子で抱えた花を包装すると、悩む素振りもなくレジの機械を操作する。 まるで、ここにある商品全ての値段が頭に入っているのではないかと思うほどのスムーズさだ。 (いや、実際暗記しているのかもしれない。……だとしたら凄いな) こういった仕事では当たり前のことなのかもしれないが、何も知らない素人からすればなかなか真似できないことである。 やがて、会計を済ませた客が店から出ていくと、影宮は恥ずかしそうな表情で絵夢へ視線を向けてきた。 「雨池さん、じろじろ見過ぎです。レジ打ちなんて、見てても面白くないでしょう」 「え? いや、何か凄いなと思いまして。ここにある花とか、全部値段を覚えているんですか?」
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