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着いた林はなるほど、そこまで深くなく、それでいて入口と言えばいいかは判らないが、それに該当するであろう場所は木々が生い茂っていた。
これなら大丈夫だろう。
そこで改めて女の子を見てみる。肩まで伸びた桃色の綺麗な髪。見るもの全てを吸い込むかのような碧の目。身長は見た感じ155くらいか。とにかく。それは置いておくか。
「んじゃ、一段落したトコでさ、幾つか聞きたいことがあるんだけど……?」
「うん、別に良いよ。」
「そう言って貰えると助かる。
んじゃあ、初歩的なことから……
ここどこ?」
「………はい?今なんて?」
見ると少女は口をぽかんと開けている。
……そんな変な質問したか?
「え?いやだからさ、ここがどこかって……」
「嘘……そんな、召喚された者がどこに召喚されたか知らないなんて……
て言うか、見た感じ普通の人間……?
ねぇあなた人間なの?」
俺のガラスハート・ブレイク!!
ねぇ何コレ、イジメなの?
「れっきとした人間だ。見れば分かるだろ?」
「あ……ごめんなさい、なんかイロイロと……。」
イヤ、別に良いんだけどさ……
「えと、ここがどこか、だよね?
ここは王都フォルナント近郊の林の中だよ!」
最後の林はどうでもいい。
王都フォルナント?何それ、聞いたことないんだけど……
俺が難しい顔していると、そうなるのは分かっていたと言わんばかりに顔を歪める。
「本当にごめんなさい。私、あなたを知らないうちに、私の居る世界に召喚しちゃったみたい……」
………あんですと?
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