ロリコンは保護欲あってこそ

6/19
前へ
/34ページ
次へ
…20分前… ―学校に着いた。 が、問題は今居る場所だ。 目の前に座るのは、恐らく学校長だろう。 正装がそう語っている。 あだ名はターミネーターだろうな…きっと。 そのターミネー…校長と思われる人物の目を見る限り、今にも俺を押し潰さんばかり。 目から出るであろうレーザーで焼ききられそうだ。 なにぶん、そんな校長室独特の重苦しい空気が苦手な俺は、それを押し退けたい一心で、謝罪の言葉を選ぶ。 するとターミn…校長の一言が、俺を更なるパニックに陥(おとしい)れた。 「どうすれば小学生に好感を持たれるのだろうか?」 「へぅ?」 ザラザラした声で大真面目に語るその姿と。 予想の右斜め上を行く変化球に、不意を突かれた。 「あ、う、何故…そこ?」 思わず突っ込みを入れたのは間違いではないと知る。 「下校時間に校門前で“さよなら”と声を掛けたら、高学年は不審者と間違われ、中学年はキャーキャー逃げてった。 低学年は泣き叫んで走ってったと思えば、お巡りさん呼んできてて職務質問されたのだ。」 そりゃあ…なぁ… 見かけが怖すぎる。 見比べると… 俺:歳17。 上半身→地味な私服。 下半身→ダボダボのジーパン。 外見→好青年寄りの姿。 (良くも悪くも普通の顔立ち)性格→ロリコn…紳士(キリッ。 校長:歳37。 上半身→黒の礼服らしき仕事着。ボディーガードみたいな格好。 下半身→黒の礼服らしき仕g(以下略) 外見→黒のグラサンが恐怖感を煽り、ゴツゴツした顔はヤクザそのもの。 ムキムキの筋肉質を語るのは、首から浮き出る血管が何よりの証拠だろう。 性格→外見とは180度異なる。 生徒と仲良くしたいのは本気で思っているみたいだ。 …さて、どこから突っ込もうか。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加