始まりの月

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俺の家はこの辺りなので、自宅からはバスで来た。 俺は、バス停がある方向に歩いていく。 5分ほど待つとバスが来たので、そのまま自宅の近くのバス停まで乗る。   バスから降りた場所は、閑静な住宅街。 俺はここで一人暮らしをしている。   両親は死んだ。 俺が小さい頃に死んでしまったらしいから、思い出もない。なぜ死んだかも知らない。 いや、知りたくないの間違いか…… 俺は両親が残した家と貯金と、親族からの少しの手助けで暮らしている。 でも、もうある程度の家事はできるし、特に困っている事もない。 強いて言えば、家が広すぎる事だ。 掃除が大変だし、使ってない部屋が何個もある。 居間も一人で使うには広すぎる。 淋しいと感じる事もあるくらいだ。
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