始まりの月

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「信じてたよ」 と書いてあった。   俺はそれを見た途端、泣きそうになってしまう。 高校に入学して10ヶ月、俺は毎日練習を欠かさなかった。 倒れるような暑い日も、凍えるような寒い日も。 そして、それを隣でいつも支えてくれていたのが彩奈だ… ずっと一緒にいてくれたからこそ言える言葉 本当に信じてくれていたんだと思う… 「ありがとな……」   俺はそんな恩人が作ったチョコレートを手に取り、一口かじる。 (どうやったらこんなに苦く作れるんだよ……)   口の中に広がるのはカカオ独特の苦味。 あまりの苦さに笑ってしまったが、俺はそれを残さず食べた。
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