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「…君か」
少女は瞳を蒼空に向けたまま答えた。
「今回はどうだ?上手くいきそうか?」
「私が失敗するとでも?」
少年の問いに少女が余裕ありげに答えると、
少年は「そりゃそうだ」と小さく笑った。
「現に…セカイの殆どが混沌としている。
私の夢の中に迷い込んでね。
もう少しで墜ちるんじゃないかな」
「相変わらずエゲツねぇな」
苦笑混じりの少年。
「…セカイの混沌と絶望が私の望み。
希望など必要ない」
少女は何かを訴えるかのように大声で宣言する。
それを見た少年は満足気に笑うと、その場から消え去った。
高らかに宣言し終えた少女が一言。
「やっぱり君は最高だよ!私のヨグ=ソトース」
その場から消えた少年の名を叫びながら、少女は屋上をあとにした。
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