冷たい青色

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「よ、よろしく、お願いします……」 「じゃあ、家に来るのね?」 「は、はい!」  気持ち声が上擦る。……遠慮したほうがよかったとか? 「そう。……とにかく、今日一日はここで療養しなさい。明日調子が戻るようなら、できるだけ早く家に行くから」  あ、そっか。ここ、一応この人にとっては職場だもんね。いつまでも私情で他人を置いとくわけにはいかないか。 「あ、あのっ、できるだけ早く出ていきますから! あと、迷惑だったら言ってください!」 「……あまり堅くならなくてもいいわ。あなたのような子供を放置しておくほうが不安だもの」  子供……まぁ、否定はしないけど。言われるとなんか悔しいというか……。  不意に、目の前に手を差し出されて、思わず肩が跳ねた。  視線を上げると、穏やかな表情の女の人がいた。 「私はジゼル。ジゼル・オスローよ」  ああ、握手か。  普段馴染みのない行為に少し違和感を感じながら、差しのべられた手を取った。 「さくら……真柴桜、です」 「そう。よろしく、サクラ」 「こ、こちらこそ、よろしくお願い、します……」  とりあえず、当分は心配なし……かなぁ?
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