昔話

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 ジゼルの青い目が、じっとあたしを見る。  逸らしたら意志を疑われる気がして、双眸を見返した。青の中にあたしが写っている。  しばらくして、はぁ、と重々しく息を吐いた。 「……そこまで言うなら、仕方ないわね」 「じゃあ……」 「明日から私が帰ってきてから、時間の許す限り指導するわ。ただし、言ったからには途中辞退は認めない。……いいわね?」 「うっ……うん!」  ゴゴゴ、と背後から音が聞こえそうな程の気迫に思わず瞬く。……騎士団の人たち、こんな視線の中で仕事してるんだ……。 「でも」 「何?」 「訓練って、具体的にどんなことするの? やっぱり走ったり筋トレしたり?」 「それは各自で……いえ、あなたが普段の生活の中で時間を見つけてするしかないわね」  ……目がギラギラしてるよ、ジゼル。 「じゃあ、その……ぶぐ? についてとサバイバル訓練?」 「ええ。武具には私のものと同じ型の譜業銃を使用、主に扱い方と実践を中心に指導。サバイバル訓練に関しては、最低限のものを知識と簡単な実技をいずれも短期間で修得してもらうわ」 「ふごう、銃……って、あの、ジゼルがいつも腰に下げてるみたいな……?」 「ええ。一般的な銃とは少し異なる点もあるわ。銃を使ったことは?」 「……捕まるよ」  ぶぐって、武具のことか……そりゃそうだよね。身を守るため、なんだし。 「銃も刀も実物見たことないし……あ、銃はジゼルの見たか」 「そう……とにかく、訓練は明日から始めるから。今日はしっかり休みなさい」 「う、うん」  そんな感じで訓練を始めてから半月くらい。今日みたいに遅くなることもあるけど、ジゼルはほとんど夕方前には帰ってきていた。  朝はずいぶん早くに出ていくし……あたしの訓練のためだと思ったら、すごく申し訳ない気持ちになる。  ジゼルに言ったらまた、気にしなくていい、って言われるんだろうけど。  
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