100年後にまた逢いましょう

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「そう、か。死ぬのか。」 「そうよ」 そっと頬に手を当てる。 やめてよ、くすぐったいじゃないと彼女は笑った。 白くて柔らかく、そして温かかった。 もう死ぬだなんて、嘘のよう。 「ねえ」 「なんだい?」 「私が死んだらね、裏山の一番大きい桜の木の下に植えてほしいの」 「ああ…、いいよ。君がそう望むのならそうしよう」 その桜は、僕らが毎年花見に行く所だった。
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