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「100年、100年待っててほしいの。」
「100年?」
「ええ。桜の木の下で、また逢いましょう。」
その言葉に偽りはなかった。だから僕は疑わなかった。
「待つよ。また君に逢えるのなら、僕はいつまでも。」
それぐらいまでに、君が愛しいから。
「ありがとう。じゃあ、100年後にまた逢いましょう。」
彼女は満足したように言うと、僕の手を握りしめたままそっと目を閉じた。
その目から一筋の涙が流れた。
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