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昇降口の階段からは桜が見下ろせる。
くるりと振り返ってみると、ふいに目をひかれた。
吹雪いてる桜の木の下…
【…誰あれ。】
目を凝らしてみる。
桜の木の下に誰かいる。
頭の上に桜の花びらがのっている人…
【…ほら、沙樹早くしてよね】
【陽菜、もう先いこ。沙樹なんかぼーっとしてるから。】
【だね…、もう沙樹なんかしーらない】
そんな会話耳に入らなかった。
(誰かを探してる??)
予感は的中だったらしく、男の子が近付いていった。
【おい、リュウトぉ。早く行くぞ。】
近付いていった男の子に連れられて
その子は、いなくなってしまった。
背の高い、男の子だった…
リュウトって言ってた…
誰だろ、後輩??だろな。
私は3年生。
上がいるはずないんだから。
まあいっか。
沙樹は、くるりと回って昇降口へ入った。
あの子 桜の花びらに気付いたかな…
沙樹は、ふっと笑った。
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