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沙樹は2人に追いついた。
【沙樹、あんた大丈夫なの?】
陽菜が、私の袖を引っ張った。
【大丈夫よ。てか、大丈夫じゃなかったら、ここにいない。】
陽菜が小さな声で【この強がりがっ!】て言ったのが聞こえたけど聞こえないフリをした。
【でも、あんたさー。結構モテるんだから、綾部に失恋したくらいでへこむことなくない?】
亜美が、真剣に言う。
【...ひどい、だって…好きだったんだもん!!】
沙樹は、涙を浮かべて亜美を睨み付けた。
【あー、はいはい。あたし、こーゆーの嫌いだから。あとは陽菜頼んだよ!】
亜美は先にすたすた歩いて行った。
【…あー、亜美。…沙樹よ。早く立ち直れ。】
陽菜も、亜美のあとに続いた。
…こりゃダメだ。笑
沙樹も、クラスに入った2人に続いてC組に足を踏み入れた。
新しい生活。
新しいクラス。
楽しいことがあったらいい。
少しでいい、多くは望まないから。
せめて、笑って過ごせたら。
沙樹は自分でも気付いていなかった。
さっきの【好き】って言葉が、過去形だったことに。
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