ご対面の朝

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「う、うーん。あれ、僕気を失ってた??あっ、尚ちゃん来てたんだ。おはよう」 尚が家に来てから数分後、ようやく陸斗が目を覚まし、ムクッと体を起き上がらせた。 僕が起きるとそこには幼なじみの尚ちゃんがいた。確か合鍵は渡してるから、それで鍵を開けて、遊びに来たんだな。でも相変わらず隣には裸の二人のサキュバスもいる。 「あっ陸ちゃ……キャッ!!」 目を覚ました陸斗を見てパッと表情が明るくなった尚だったが、陸斗を見た瞬間思わず手で目を塞いだ。 「り、陸ちゃん服着てよ!!」 な、なんで陸ちゃん上は、裸なのよ!!でも細身だけど綺麗な体…… 「えっ裸??うわっ本当だ!!」 僕は嫌な予感がしたので、恐る恐る布団を捲る……下着も履いてない……部屋を見渡すと無造作に服が投げ捨てられていた。 「あっダーリン~。起きたんだね。服はさっき全部脱がせたよ。どう??開放的で気持ちいいでしょ??」 だ、ダーリン!?今ピンクの髪の子陸ちゃんをダーリンって…… 「ダーリンかエリスもなかなか面白い呼び方をするな。私はなんて呼ぼうか……よし“僕ちゃん”にしよう。一人称が僕だから“僕ちゃん”だ。あと僕ちゃん、天井と屋根直しておいたから」 なんか呼び方が弟みたいだな。サキュバスには男がいないから新鮮だ。でも素直に“陸斗”もいいな。なんだか迷ってしまう…… 自分で考えた呼び名に照れるルシル。お姉さんキャラのルシルが照れたのは珍しい光景だ。 「あっそうそう屋根と天井直してくれたんだね。どうもありがとう」 「あ、いや精気を吸う相手に迷惑を掛けるわけにはいかないからな。当然のことだ」 「ルシルお姉様もしかしてアピール!?むぅズルいー」 「こらエリス騒ぐな。これは変な感情ではない!!」 なんか本当に姉妹って感じだなぁ。サキュバスって案外優しい人?? そんな三人からは蚊帳の外になっている尚。 「何よ陸ちゃんったらデレデレして……」 そうだ。今の内にもう一度整理だ。まずは…… 夢の中で現れるはずのサキュバスが現実にいる→サキュバスだけでなく陸ちゃんも裸→しかもサキュバスと三人で脱ぎ脱ぎした(誤解)→三人仲良くベッドの中→事後…… みるみる内に尚の顔は赤くなり 「キャァァァァ!!陸ちゃんのエッチーーー!!」 ドタドタドタドタ!!ガチャ、バタン!!!! 「えっ!?尚ちゃん??」 尚は慌てて陸斗の家を飛び出した。
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