ご対面の朝

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「せ、精気……」 精気と聞いて僕はゴクリと生唾を飲む。 「そうだ、私達サキュバスは精気を吸わなければ生きていけない。さっきみたいに人間の食料を食べれば、体力や空腹間は回復するが、やはり精気を吸わなければ満腹感は得られない。そしてターゲートを決めたらターゲートから精気を満足に吸い取らない限り、変更は禁止されている」 それで今の二人にとってのターゲートは僕ってわけか。 「じゃぁその精気はどのくらい吸うの??」 精気吸収ってやっぱりイヤらしいことするんだろうか?? 「ハイハイーじゃぁそれは私が説明するね。この飲み物もおいちっ」 どうやら今度はエリスが説明役をしてくれるみたい。 エリスはルシルが説明している間、冷蔵庫から持ってきたのであろうオレンジジュースを勝手に飲んでいた。 ってエリスいつの間に…… 「精気は別にイヤらしいことしなくて得られるのターゲートの匂いを嗅いだり、体を舐めたり、他にもいろんな吸収方があるけど、これらは微量の精気しか得られないんだよね。効率が良いのは、キスとか……深いキス。んー後はチョメチョメすること。特に絶頂時が一番だね。 量に関してはサキュバスがターゲートを気に入ればたくさん吸うし、精気が不味かったり、ターゲートがタイプじゃなかったら少し吸ったらポイだね。ちなみにダーリンからはたくさん吸いたいなぁ」 ニコニコしながら話すエリスだが、陸斗はすでに顔を真っ赤にしている。 どれもイヤらしいことばかりじゃないか!!僕には堪えられそうにない…… ガシッ!! エリスの話を聞き、頭を抱えているといきなりルシルが僕に近付いて来て肩をがっちり掴んだ。 「ルシル??」 ルシルは一呼吸おいてから静かにこう言った。 それは僕にとって、この二人からは逃げられないことを意味していた。 「だがな陸斗、これだけは忘れるな。サキュバスはターゲートから精気を吸わないと猛烈に飢えが襲って来て、冷静な判断が出来なくなってくる。それをサキュバスは“精の渇き”と言っている。 具体的には精気を吸いたくて吸いたくてたまらなくてなるんだ。それが限界が越えると……ターゲートから精気だけでなく“生気”までをも貪る(むさぼる)ように吸い尽くしてしまうんだ。つまりそれは……」 「ターゲート、つまり陸斗を殺してしまうことを意味する」
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