ご対面の朝

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「あなた達、覚悟しなさいよ!!」 フライ返しを振りかざしながら、ルシル達に突っ込んでいく尚 鼻息が荒くかなり興奮しているようだ。 「ルシルお姉様危ない!!」 とっさにエリスがルシルの前に立ちはだかり、フライ返しを腕で受け止めた。 「危ないじゃないこの……饅頭女!!さっきから変なことばかり言って、こっちは深刻な状況なのよ!!」 まったくルシルお姉様が怪我したらどうするのよ!! 「ま、饅頭女って……あれじゃぁ私の持ってきたお饅頭は!?」 そうだ、あの時陸ちゃんの部屋に忘れたんだった!! 「そんなの全部食べたわよ!!まぁそれなりに美味しかったわよ」 「た、食べたぁ!?」 あっ食べたって言ったら動揺してる。ふふっ参ったか!! あのお饅頭はせっかく陸ちゃんと仲良く食べようと思ったのに、出来れば「あ~ん」なんかしたりして……キャッ!!それを全部食べたなんて酷い!!酷すぎる!! 怒りが頂点に達した尚はエリスをポカポカ殴り始めた。 「饅頭の恨み~」 「いたたたっ、何するのよ」!!」 負けじとポカポカ殴り返すエリス。 その光景を瑠璃は黙って見ていたが ポカポカ ポカポカ ポカポカ ピキィ !! 「うっさい!!」 我慢の限界にきた瑠璃が一喝する 「ご、ごめんなさい!!」 「やーい、怒られてやんの」 「エリス、お前も調子に乗りすぎだ!!」 「ごめんなさい……」 二人の妹の争いは二人の姉の一言で終わった。
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