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「ルシルお姉様~今回はどんな男を狙うの??私、この前みたいな不味い精気はもううんざりだからね」
「なぁにエリス、そんなに精気吸いたいの??クスッ……でも私も不味い精気は勘弁だけど……あっそうだ!!なら今回はあなたがターゲットを決めていいわよ。早く魔法唱えたら??」
いつもは姉である私がターゲットを決めるけど、たまにはいいかな。
「いいの!?やった!!じゃぁ早速……ウォルス」
エリスが魔法を唱えると、二人の目には今まで家の外見しか見えていなかったのが、中の様子や誰が住んでいるかはっきり見えるようになった。
「うーんあの子はいまいちだし、あの子は可愛いけど若すぎるなぁ。あぁん迷っちゃう!!」
背中に生えた漆黒の翼で飛び回りながらターゲットを探すエリス。その後を姉のルシルはゆっくり追う。
「うーんこの辺りは女しかいないなぁ……あっ!!」
元気良く飛び回っていたエリスはある一軒の家の前で飛ぶのを止めた。
「どうしたの、タイプの子でもいた??」
「ルシルお姉様、あそこ見て!!」
ルシルもエリスに指差す方を見る。
「へぇなかなか可愛い坊やじゃない精気も美味しそう……でも私達のプレイに堪えられるかしら……」
「まぁそれもそうだけど、あの子一人しかいないみたいなの!!邪魔な住人がいないから夢の中で襲わなくても、現実でヤれる!!」
ふふっ夢の中は最近マンネリしてたんだよねぇ、現実でヤれるなんて初めてかも
「エリス、たまたま一人だけかも知れない」「いいからレッツゴー!!」
ルシルの話を無視しエリスは急降下を始めた。
サキュバスは普段は夢の中で精気を吸う。吸った後は夢の記憶を消すためサキュバスの存在は今まで誰にもわからなかった。しかし起きてる人間では騒ぎを起こされると厄介で尚且つ記憶を消せないためサキュバスは起きてる人間を襲うのはタブーとされている。
「まったく……」
現実での行為はタブーとわかっていても腹ペコなのよね。でも今回のターゲットは今までと比べて幼いな……しかし精気を吸わなければ私達サキュバスは生きていけないのも事実……か。ふぁぁ、なんだか飛び疲れて眠くなってきたわね……でもヤらなきゃ。
しばらく考え込んでいたルシルもエリスを追い急降下を始めた。
人間とサキュバスの不思議な物語が今始まる。
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