ご対面の朝

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「お父さん、お母さん、四月から僕も高校生だよ。しかもあの夢美高校に合格したんだ」 「すごいじゃないか陸斗!!夢美高校だなんて。制服も似合ってるぞ。だがな、これからは勉強は大事だが、たくさん恋もするんだ。恋の勉強もしっかりな」 恋かぁまだしたことないなぁ。僕に出来るかなぁ。 「もうお父さんったら恋だなんて。ウフフでも高校生なんだから彼女の一人や二人いてもおかしくないわね。あらやだ陸斗、ネクタイ曲がってるわよ」 お母さん彼女は普通一人だよ……それに子供じゃないんだからネクタイ直すくらいできるよ。 そこには他愛もない家族の朝の会話の様子が広がっていた。 「お父さん、お母さんそれでね、尚ちゃんも……」 パッ!! 僕が言いかけたとき、目の前が暗くなり、誰もいなくなった。 「お父さん??お母さん??」 どこに行ったの!!ねぇ、お父さんお母さん!!……そうだ、そうだよ、お父さんとお母さんは僕が小学校三年の時、交通事故で亡くなったんだった…… でも…… もう一度会いたいよ…… 自然と僕の目から涙が溢れた。 パッ!! すると今度は突然周りが明るくなった。 チュンチュチュン 気が付くとそこは見慣れた自分の部屋だった。なんだ夢か……あれ、僕ったら起きても涙流してるよ。高校生になるんだから、しっかりしないと!!そのために家族が住んでいた家に戻って一人暮らしを始めたんじゃないか。 両親が亡くなってから僕は隣町の父親方の祖父母の元へ引き取られそこで暮らしてきた。ちなみに僕は一人っ子。おじいちゃんおばあちゃんは優しくて何不自由なく育った。そして高校受験も終わった頃、僕は自分のために元の家で一人暮らしをすると決めたのだ。初めは反対されたけど、二人共自分が決めたならと了承してくれた。 四月から心機一転。ちょっぴり不安な一人暮らしや楽しみな高校生活が始まる予定だった。 「ふぁぁ、今日もいい天気だなぁ」 朝の目覚めと共に腕を大きく伸ばす。 入学式は明日だけど早く起きちゃったかな。でも早起きに越したことはないか。 「ん??」 腕を伸ばした時違和感を感じた。なんかいつもよりベッドが狭く感じる…… キョロキョロと辺りを見渡すと原因がわかった。 「だ、誰!?」 僕の両隣には見たこともない姿をした女の子二人がスヤスヤと寝ていたのだ。
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