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ピンポーンピンポーン!!
部屋中にチャイムの音が鳴り響く。
「ル、ルシルお姉様、何か鳴ってるよ……あの音気持ち悪いよ……」
初めて聞くチャイムの音にエリスは恐怖を感じていた。
サキュバスは基本夢で行動する。無論チャイムの音など聞くこともなかった。
「し、心配するな。音が鳴り止むまで無視していれば、いずれ鳴り止むはずだ」
そうさ、こんな音で私達を惑わそうとしても無駄だ。この坊やは私達のターゲットだ。
ルシルは一見、冷静に状況を判断しているように見えるが、その右手は陸斗の腕をがっちり握っている。
ルシルお姉様……言ってることとやってることが……
ピンポーンピンポーン!!
未だ鳴り止まない音に加え、さらなる恐怖が二人を襲う。
ドンドンドン!!
「「!!」」
「おーい、陸ちゃーん、起きてるー??明日入学式だからさぁ、親戚の叔母さんがお祝いにお饅頭いっぱい送ってくれたのー!!一緒に食べようよー!!」
ドンドンドン!!
「お、女の声だよルシルお姉様!!女!!女!!」
人間の男は何十人も見てきたけど、女なんてどう対処すればいいのー。
「だから無視するんだエリスー!!」
えぇ!?じゃぁ私もこの子に掴まってよ。
ガシッ
「ウッ……」
さらにサキュバスには女に対する免疫もない。見ることはあるが、話したり誘惑などはしない。もちろん女から精気も吸わない。だから二人には対応の仕方が分からないのだ。
「寝てるのかなぁ……あっいいこと思い付いた。えーと合鍵、合鍵っと」
ガチャガチャ……カチッ
「お邪魔しまーす」
は、入ってきたー!!
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