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屋上横にある非常階段をのんびりと下りながら、下にいる男との出会いを思いだしていた。
男とは元仲間から逃げて大体3ヶ月ぐらいたった時、今までいた地域とは違う場所で食料を探してる最中に出会った。
目覚めたばかりだったらしく、この世界について色々と聞かれたので分かる事を教えた。
それからは一緒に行動している。
何故1番近い拠点に案内しないで一緒にいるかというと、この世界について話している時に、男も俺と同じで左胸に青色のコアがついている事が分かったからだ。
見せられた時は凄く驚いたが同じ人間がいたというのもあり、コアがどうして付いているか聞いてみたが「分からない」と言う
少しぐらいは分かると思って期待していたが、その言葉を聞いて俺はガクっと肩をおとした。
だけど「俺だけじゃなかったんだ」そう考えるだけでも不安が和らぐ、今はそれだけで十分だ
「ほんとこのコア何なんだろうな」
階段を下りながら自分の左胸にあるコアを優しくなでながら呟く
そうこうしている内に階段も終わり、狭い裏路地を抜け広い大通りにでる
それに気付いた男は、豪快に手をふりながら笑顔で近づいてくる
(元気だなぁ)
なんて思いつつ、持っていたトリガーを右腰にあるフォルダーに仕舞っていると、男は俺の目の前まできていた
「あの…やっぱその『おじさん』と呼ぶの止めてもらえませんか?」
男は眉間に少しシワをよせ、真剣な眼差しで俺をみている
「はぁ~またその事か…」
俺がこの男をおじさんと呼ぶのは理由がある
出会って自己紹介をした時『望月陸斗』って言う俺の名前は自分で決めたと話したら
「カッコイイですね。そうだ!私の名前も決めてださい」
そう頼まれたので『赤井輝明』なんてどうか?と提案した。
何故『赤井輝明』にしたのか理由を聞かれたので
「それはですね…単純に赤い服を着てるからです。それと…」
少し広くなっている男のおでこをチラッと見たあと理由を素直に言ったら、ものすごく嫌そうな顔をされ却下された
その後も何個か名前を考えたんたけど全て却下。
流石にイラっときたので名前を考えるのも嫌になり『おじさん』と呼ぶことにした。
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