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しっかりと屋根が残ってる二階建ての少し大きな建物の屋上で、俺は仰向け寝ながなら考え事をしていた。
「はあ~ぁ。お腹減ったな」
今日は起きてからまだ何も口にしていない、右手で音が鳴っているお腹を摩りながら深い溜め息をつく。
今まではカプセルがあった地下にトリガーと一緒に保管されていた食料と、他にも何とか食べられそう物を探し食いつないでいたが、この辺りはほとんど調べ終わっていて中々みつからない。
「怖いけど、やっぱあれしかないよな…」
目覚めた時より目元ぐらいまで延びた前髪を指でつまみ、クリクリしながらまた溜め息をつく。
溜め息をついたのと同時に、建物の下から少し野太い声で俺を呼ぶ声が聞こえてくる。
「おーい!陸斗く~ん!」
慌てて体をおこし、建物の縁に近寄って顔を少しだし下を見てみると、そこには少し太った男性が俺のほうを見ながら手を振っている。
「おじさん!!あんま大声はだすなって言ってるだろ」
少し怒りが混じった声で言うが、男は頭の後ろに片手を回しポリポリ掻きながら「またやっちゃった」と言わんばかりに笑っている。
「ちょっと待ってて」
俺は半分呆れてた声でそう言って、寝ていた所に置いてあったトリガー(ハンドガンタイプ)を持ち屋上から移動した。
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