君の存在

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ある日の屋上――― 私の好きなものは移り行く景色。 少しずつ冬へと変わりゆく景色を 毎日眺めたくて 放課後になると屋上に足を運んでいる。 校庭の回りを囲む木々の色が 赤や黄色に変わって, 最後は土の色に変わり土に戻っていく。 そうした自然の移り変わりを ただぼんやりと眺めるのが好きで 毎日屋上に来ている。 風も同じ……… 夏のようにはいかないけれど 暖かみのある優しく包む風は,北風の冷たく大地を冷やす風に変わっていく。 ブルッ 一瞬寒気がした。 もうカーディガンだけじゃ寒いもんね。 「…やっぱりここにいたか」 ,
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