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ナオとは、付き合って三年になる。
だから、今更ケンカ別れは無いって、ナオだってきっと思ってるさ。
そう自分の中で、踏ん切りをつけて顔をあげると、電車の明かりが近づいて来るのが見えた。
「奈央! 待ちなさい!」
ナオ?と、すぐ反応してしまい声のほうへ、目を向けると
4、5歳だろうか?
小さな女の子がホームから落ちる瞬間だった。
助けようと、自らも線路に入ろうとする母親を付近の人が止めている。
女の子が助からないのは、電車との距離から明らかだった。
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