事件のはじまり

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何度叩かれたか分からない。 それくらい叩かれた。 カイが満足そうな表情を浮かべるほど。 だけど、そのおかげで現状を少し理解することもできた。 今はツインテールの女の子ユーコに、過去に俺の使っていた部屋へ案内してもらっている。 廊下を歩いて移動するだけで、この建物が広いことが容易に想像できる。 「ボスとは三ヶ月ぶりですね~確か」 と、ユーコが突然言ってきた。 「そうなの?」 と、返す。 「はい~♪ えっと、三ヶ月だから…21歳ですかね?」 ユーコが頬に人差し指を当てながら言った。 確かに21だけど… 「どうして分かったの?」 俺の質問にユーコは得意げに答えた。 「こっちの世界での一ヶ月は、あちらでは七年なんですよ!」 どーだまいったか!と言わんばかりの勢いだった。 「そ、そうなんだ、へぇ」 俺の返事が気にくわなかったのか、ユーコは 「ボス、反応薄いです!」 と、少しふてられてしまった。
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