プロローグ

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物語の舞台は、地球の日本と言う小さな島国にある街、『海鳴市』。 そこは、その名の通り、綺麗な海が隣接している街である。 そんな海鳴市は、梅雨の時期に入ったからなのか、雨が降っていた。梅雨だと言う証拠に、紫陽花が地面に咲いていたり、家の花壇に植えられて咲いていた。 そんな海鳴市にある、とある歩道を見てみよう。 ?「スゥ・・・・・・スゥ。」 ?「あら?いつの間にか寝ちゃったのね。」 そこには、2、3歳位の小さな女の子を背中に乗せ、手に傘を持っている若い女性が歩いていた。 その女の子と女性は、顔立ちがかなり似ていた。・・・姉妹だろうか? 女の子を背負った女性は、女の子が寝ている事に気付き、小さく微笑んでいた。 ?「ふふふ、・・・・・・?あれは、何かしら?」 笑っていた女性は、前方に何かがある事に気が付いた。が、雨のせいでその何かが見辛く、見えなかった。 気になった女性は歩く速度を速めて、その『何か』に近付く。 ?「!?・・・嘘!?」 女性は『何か』を視認できる距離まで移動し、それを見て驚愕した顔をしていた。そこには・・・・・・、 ?「・・・ハアッ・・・ハアッ」 女性の背中に乗っている女の子と、同じ位の年頃の『蒼い髪をした子ども』が、地面に倒れ込み、赤い顔をしながら、荒い呼吸をしていた。 ?「君、大丈夫!?」 驚愕していた女性は、すぐに子どもに駆け寄り、子どもに声を掛けながら、子どもの額に手を当てる。 ?「酷い熱・・・。看病してあげないと。・・・もう少しの我慢よ。」 子どもの額に手を当てた女性は、その子の体温に驚いたが、その子どもを抱え上げると、女性は歩き出した。 その頃には、先程まで降っていた雨は止んでいた。 チリンッ 猫「ニャー」 犬「・・・・・・ワンッ」 女性が、子どもを連れていく様子を離れた所で、真っ白な毛並みで鈴の付いた首輪を首に巻いた猫と、紅いスカーフのような物を首に巻いた犬が静かに見ていた。 猫と犬は、女性を見た後、姿を消したのだった。 蒼髪の子どもを抱えながら歩いていた女性は、ある一軒の家の前に立ち、その家の中に慌てて入っていった。 表札に『高町』と書かれていた家の中に。
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