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二人が完全に眠ると、ユウの手首に付いていたブレスレットが輝き、ユウの手から離れて宙に浮いた。
宙に浮いたブレスレットは、輝きながら姿を変えていき、
?「・・・マスター。貴方は全てを忘れてしまったのですか?」
ブレスレットは、金色の髪と深緑の瞳をした少女の姿に変わった。その少女はユウの顔を見ながら、ユウに話し掛けるように喋る。
猫「・・・ニャー」
その時、なのはの部屋の窓付近に、ユウ達を見ていた白い猫が居た。
?「?・・・貴女は。・・・貴女も来ていたのですか。」
猫に気付いた少女は、窓を開けて猫を部屋に入れる。
猫「まぁね。・・・気が付いたら、ここに居たんだよ。」
少女「そうですか。・・・他の皆はどこに居るのか、貴女は知っているんですか?」
なんと、猫が喋ったのだ。が、少女は猫が喋っても大して驚かず、平然としていた。
猫「えっとね、今は・・・ちゃんと一緒に居るよ。他の皆には、念話で呼び掛けてみたら、皆も一応この世界に居るんだけどね、皆バラバラの管理世界や管理外世界に居るらしいんだよ。」
少女「そうですか。皆が、この地球に集まるまで、どれ程の時間が掛かるんですか?」
猫「ん~、とね。ボクの推測だけどね、大体半年後位かな。」
少女「半年後、ですか。・・・思ったよりも長いですね。」
猫「まぁね。皆、今居る場所でかなりの厄介事に巻き込まれてるらしいんだよ。・・・だから、皆がこの地球に集まるのは、大体半年後位かなって。」
少女「成る程。・・・貴女の勘は当たりますからね。半年後には皆、ここに集まるでしょうね。」
猫「ニャハハァ、照れるニャー////」
猫は照れながらも、前脚を器用に使い、顔を掻く。
猫「って、照れてる場合じゃなかった!・・・問題は、マスターの件だよ。」
猫は、眠っているユウを見ながら喋る。
猫「マスター、記憶喪失になってるんだよね。・・・ちゃんが、言ってたよ。今のマスター、小さい頃のマスターとそっくりだ。って」
少女「それは、外見だけではなく、内面までも、と言う意味でしょうか?」
猫「多分、そうだと思うよ。今のマスターは、どうみても年相応の姿だし、ボク達の知ってるマスターの姿じゃないしね。・・・マスター、ボク達の事も忘れてるのかな。」
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