コーヒーとぼく

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「こぅひっておいしいね。このケーキもおいしい」 「・・・いっぱい食べてね、って言いたいところだけど残念ながら僕にはあんまり余裕がないからほどほどにしてくれるとうれしいな」 「なんで・・・」 「あ、僕イギリスから18歳でロシアにでてきたんだ。おじいさんがロシアの人でね、僕はコーヒーが好きでこっちのほうにも広めたいなあ、なんて夢があったから・・・。そんなこと言ってもロシアに着いたのは一週間前だけどね、ははは」 だから金銭的にも精神的にも余裕はないのだ。今になってみるとそんな状況でこの子をなぜ拾ったのかも疑問だ。 ・・・昔のことでも思い出したのかな、と苦笑する。 「どうしたの、おじさん」
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